ワタの種子から圧搾抽出法で採取,精製した液状油。種子の含油率は15~35%,核の部分は34~39%。油は半乾性油に属し,飽和脂肪酸含有のグリセリドが他の植物油に比べて比較的多く含まれ,常温で固形脂を析出する。融点4~-6℃,比重d145=0.912~0.932,屈折率n20D=1.472~1.477,ケン化価189~199,ヨウ素価88~121。脂肪酸組成の一例はリノール酸53%,パルミチン酸27%,オレイン酸17%,ステアリン酸3%である。植物油として主産国アメリカではかつては最も生産量が多い油脂であったが,最近は伸び悩み,ダイズ油が増加してきている。用途は食用油,マーガリン,ショートニング,マヨネーズ,サラダ油などが主である。サラダ油,マヨネーズ用には冷却して固形油脂の部分をろ過した油脂が適している。綿実油中には色素ゴッシポールが存在するが,精製工程で除去される。
執筆者:内田 安三
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綿繊維をとったあとの綿実から得られる半乾性油。ワタの主産地はアメリカ、インド、中国である。圧搾溶剤抽出法で採油する。種子の含油量15~35%、核の含油量35~40%。融点4~零下6℃。ヨウ素価90~120。けん化価190~200。成分脂肪酸は、リノール酸35~55%、オレイン酸15~35%、固体脂肪酸20~30%。固体脂肪酸が相当量存在するから、冷却してこれを析出させ、濾過(ろか)すれば、ウィンターオイルを得る。主として食用油として用いられる。またマーガリンにも使用される。油かすは良好な肥料となる。
[福住一雄]
綿の種子(含油量15~25%)を圧搾すると得られる半乾性の脂肪油.主成分はオレイン酸基(30~35%),リノール酸基(41~45%),パルミチン酸基を含む混合グリセリド.食用のほかに,硬化油,せっけんなどの製造に用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…サラダ油は,加熱せずにそのままサラダドレッシング類に用いるため,なまでも風味がよく,低温でも凝固せぬようにつくられている。ダイズ油,ナタネ油のほか,綿実油,トウモロコシ油も用いられる。 植物性食用油を原料別にみると,次のようになる。…
※「綿実油」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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