一党優位政党制(読み)いっとうゆういせいとうせい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一党優位政党制」の意味・わかりやすい解説

一党優位政党制
いっとうゆういせいとうせい

複数の政党選挙で争っているが,結果として一つの政党が長期にわたって圧倒的な優位を保持している政党制イタリアの政治学者ジョバンニ・サルトリが分類した政党制の一つ。厳密な意味での競合政権交代がないため,選挙・議会権力レベルで種々の問題が発生する。顕著な例として 1955~93年の日本があげられ,自由民主党中選挙区制のもと,各選挙区で複数候補を擁立し当選させることで,衆議院過半数議席を維持した。一方日本社会党など野党は,各選挙区で候補者を 1人に絞って議席を死守した。その結果,自由民主党の万年与党化を招き,政権交代の緊張感を欠いた(→55年体制)。ほか,1932~76年の 44年間政権をとったスウェーデン社会民主労働党の例がある。

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