一折(読み)ひとおり

精選版 日本国語大辞典 「一折」の意味・読み・例文・類語

ひと‐おり‥をり【一折】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 連歌俳諧を書き留める懐紙一枚。特に、初折一枚。百韻五十韻ならば、初折の表八句および同じ裏一四句、歌仙ならば、初折の表六句および同じ裏一二句。
    1. [初出の実例]「れむ歌ひとおりかかせむとて、発句はせさせおはします」(出典:弁内侍日記(1278頃)建長四年七月二六日)
  3. 進上物一つ、折箱一つをいう。
    1. [初出の実例]「奈良柹にさしそへ送る一折は是ぞ三笠の山の松茸」(出典:狂歌・後撰夷曲集(1672)八)

ひと‐おれ‥をれ【一折】

  1. 〘 名詞 〙 舞や曲の一区切り。ひとさし。ひとふし。
    1. [初出の実例]「ひとをれ〈略〉舞ひ給へるに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)花宴)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android