一条院跡(読み)いちじよういんあと

日本歴史地名大系 「一条院跡」の解説

一条院跡
いちじよういんあと

平安中期の里内裏の一つ。もと藤原伊尹(謙徳公)邸宅で、その異母弟為光から藤原詮子に伝えられ、のち一条天皇・後一条天皇・後朱雀天皇・後冷泉天皇の里内裏となった。「拾芥抄」に「一条南大宮東二町、謙徳公家又為法性寺大臣為光家也」とあり、これは現在の飛騨殿ひだどの町・ひさし町・梨木なしのき町・小寺こでら町・福大明神ふくだいみようじん町のほぼ全域と、役人やくにん町・堀川下之ほりかわしもの町の一部を含む地域に比定できる。しかし同書東京図は大宮大路東、一条大路南の方一町にあて、この場合は小寺町福大明神町堀川下之町は含まれない。

扶桑略記」天徳四年(九六〇)五月一〇日条に「中宮移御右近権中将伊尹朝臣之一条第」とあり、また「日本紀略」康保元年(九六四)一〇月一九日条に、皇太子(後の冷泉天皇)更衣懐子が一条邸で宗子内親王を出産したことを記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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