式部(読み)シキブ

精選版 日本国語大辞典 「式部」の意味・読み・例文・類語

しき‐ぶ【式部】

  1. 〘 名詞 〙
  2. しきぶしょう(式部省)」の略。また、式部省の官にある者の称。
    1. [初出の実例]「帳内資人、雖名入式部、不予選之限」(出典:続日本紀‐和銅四年(711)五月辛亥)
    2. 「式部が所にぞけしきある事はあらむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
  3. 女官の呼び名。また、父親が「式部の丞」などで女房となった者の称。「紫式部」「和泉式部」など。
    1. [初出の実例]「とのもりの侍従の君、弁のないし、つぎに左衛門のないし、とのの宣旨、しきふとまでは、しだいしりて、つぎつぎは、れいの心々にてのりける」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一一月一七日)
  4. 明治四年(一八七一)七月の太政官制改定により、宮中に置かれた式部局の職員の官名。内外の儀式および図書のことを掌り、大少の別があった。同年八月の改定により、消滅した。
  5. 女学生のこと。
    1. [初出の実例]「恐らく編物と同様、式部たちの遊戯の一つであったらうと思ふ」(出典:明治大正見聞史(1926)〈生方敏郎〉明治時代の学生生活)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android