七主教裁判事件(読み)しちしゅきょうさいばんじけん(その他表記)Trial of Seven Bishops

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「七主教裁判事件」の意味・わかりやすい解説

七主教裁判事件
しちしゅきょうさいばんじけん
Trial of Seven Bishops

1688年6月,イギリスで起った裁判。同年4月国王ジェームズ2世が発した信仰自由宣言に対し,カンタベリー大主教 W.サンクロフト,バス・アンド・ウェールズ主教 T.ケン,ピーターバラ主教 T.ホワイト,セントアサフ主教 W.ロイド,ブリストル主教 J.トリローニー,チチェスター主教 J.レーク,イーリー主教 F.ターナーの7人の国教会主教が王に宣言取消しを請願,これを怒った王は彼らを文書扇動罪で裁判にかけた。しかし,6月 30日陪審員は無罪と評決し,彼らは釈放された。ロンドン市民は窓に7本ずつろうそくをともし,歓呼して彼らを迎えた。7人の主教は,むしろ国教会でもトーリー党的,保守的な高教会派に属し,従来は王への無抵抗主義を説いてきた人たちで,この事件は彼らさえ王の専制に耐えかねたことを示し,国民の反感を決定的に高めた。彼らが釈放されたその日に,オランニェ公ウィレム (のちのウィリアム3世 ) への招請状が発送された。

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