七道具(読み)ななつどうぐ

精選版 日本国語大辞典 「七道具」の意味・読み・例文・類語

ななつ‐どうぐ ‥ダウグ【七道具】

〘名〙
① 七種からなる装身具や調度類の総称。また転じて、七の数に限らず多数の付属品からなる皆具(かいぐ)をいう。
武士が戦場で用いた具足・刀・太刀・弓・矢・母衣(ほろ)・兜の七つの武具一説に、弁慶・朝比奈三郎などの豪力の者が用いたという、鎌・鋸(のこぎり)・槌・斧などの七種の道具。七つ物。
※義残後覚(1596)五「七つ道具柄を三間に拵へて是れを指す」
大名などの行列に用いられた槍・長刀(なぎなた)・台笠・立傘・大鳥毛・馬印・挟箱の七種の道具。
浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)三「さきぞなへの供馬引馬乗がへおつづら馬、七つ道具を揃へしはげにも美々しき見ものなり」
④ 一組にして、そろいで携帯するさまざまの小道具をいう。鋏(はさみ)・小刀・針・耳かき・毛ぬき・糸巻き・爪切りの一式など。
※明治浮世風呂(1887)〈浮世粋史〉四「右の手には彼の七(ナナ)つ道具(ダウグ)と唱へる手拭をはじめ」
⑤ 立花(りっか)で、真・小しん・受・流(ながし)・ひかえ・副(そえ)・前置をいう。
随筆槐記‐享保一五年(1730)正月二一日「立花に七つ道具とて」
⑥ 質に入れて金を借りる品物。質種(しちぐさ)。「七」に「質」を通わせた語。〔俚言集覧(1797頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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