万人の万人に対する戦い(読み)バンニンノバンニンニタイスルタタカイ(その他表記)bellum omnium contra omnes

デジタル大辞泉 「万人の万人に対する戦い」の意味・読み・例文・類語

万人ばんにん万人ばんにんたいするたたか

英国の哲学者ホッブズ言葉自然状態では人間は利己的で、自分利益のため互いに闘争するということ。

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精選版 日本国語大辞典 「万人の万人に対する戦い」の意味・読み・例文・類語

ばんにん【万人】 の 万人(ばんにん)に対(たい)する戦(たたか)

  1. イギリスの哲学者トマス=ホッブズ(一五八八‐一六七九)のことば。政治的社会の成立していない自然状態では、各個人がそれぞれ自分の利益を追求するため、互いにあらゆる人為的制約から自由であると考え、その結果、無秩序な戦争状態におちいると説いたもの。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「万人の万人に対する戦い」の意味・わかりやすい解説

万人の万人に対する戦い
ばんにんのばんにんにたいするたたかい
bellum omnium contra omnes

T.ホッブズの言葉。彼は自然状態において自然権を行使することにより,「人は人に対して狼となる」ので,自然状態は「万人の万人に対する戦い」の場にほかならないと考えた。これを克服するために,社会契約によって各人が同時に自然権を放棄し,国家を形成し,この保護もとに平和と安全を達成するしかないとの社会契約説が展開される。

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