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自然権 しぜんけん natural rights

翻訳|natural rights

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

自然権
しぜんけん
natural rights

法的規定以前に人間が本性上もっている権利をいう。伝統的「自然法」を社会形成の積極的な構成原理に援用した際に生れた近代的な観念である。思想的先駆は T.ホッブズで,彼は個人の生存の欲求とそのための力の行使を自然権として肯定した。

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デジタル大辞泉の解説

しぜん‐けん【自然権】

人が生まれながらにして持っているとされる権利。自己保存の権利、自由の権利、平等の権利など、国家権力をもってしても奪うことのできないもの。ロックを中心とする近世の自然法思想の所産で、フランス人権宣言、日本の明治期の天賦人権思想などに表れている。天賦人権

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百科事典マイペディアの解説

自然権【しぜんけん】

ラテン語jus naturalis,英語natural rightなどの訳。国家によって与えられた実定法上の権利ではなく,国家成立以前に人が生まれながらにして有するとされる権利。
→関連項目基本的人権権利人権宣言ホッブズ身分

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世界大百科事典 第2版の解説

しぜんけん【自然権 natural rights】

人間が国法その他に先立ち,自然法によりあるいは生まれながら人間として有している権利をいう。日本では天賦人権ともいわれた。自然権は人間をあらゆる政治的・社会的制度に先立って権利をもつ存在と考える点で,それまでの特権中心の権利観を根本的に転換させた。自然権の概念をそれ自体として積極的に展開し,社会の構成原理の基礎に据えたのはホッブズである。ホッブズは個人の生存の欲求とそのための力の行使を自然権として肯定し,これに基づく戦争状態こそを自然状態とした。

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大辞林 第三版の解説

しぜんけん【自然権】

国家およびその法律に先立って、個人に本来的に備わり、国家によって侵されることのないとされる諸権利。天賦てんぷ人権。 → 基本的人権

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

自然権
しぜんけん
natural right

自然法上の権利をいい、実定法上の権利に対立する。日本の自由民権運動の時期には「天賦人権(てんぷじんけん)論」と訳された。自然権の思想を典型的に表したものは、1776年のアメリカ独立宣言であり、「われわれは、自明の真理として、すべての人は平等に造られ、造物主によって、一定の奪いがたい天賦の権利を付与され、そのなかに生命、自由および幸福の追求の含まれることを信ずる」とあるのがそれである。権力がこの自然権を侵した場合には、自然法上の抵抗権が生ずる。日本国憲法が「この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」(11条)と宣言しているのも自然権思想の表れである。
 自然権の思想的根拠としては、神が与えたものとするキリスト教思想と、人間は人間としてこのような権利をもつとする世俗的自然法論とがある。自然権の内容、範囲については歴史的に変化しており、生存権、自由権、幸福追求権のほかに参政権や抵抗権をあげる者もある。国家による以上の諸権利の侵犯に対しては国民に抵抗権があるとして、抵抗権を認める者でも、何が悪法かという認定権を各人に無制限にゆだねる者は少ない。ホッブズは社会契約説にもかかわらず、生命防衛権だけは譲渡しえない(不可譲性)と考える。抵抗権を正面から認める思想家としてはアルトゥジウスやロックがいる。
 他方、自然権の存在を否定する思想家もあり、法実証主義者とよばれる。彼らによれば、憲法上の人権保障も実定法がつくりだした保障であり、法が変わればもはや存在しないとする。さらに法実証主義の論拠にも、自然権は認識できないという理論上の論拠と、自然法思想は社会秩序を危うくする危険な思想だという実践上の論拠とがある。[長尾龍一]

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世界大百科事典内の自然権の言及

【基本的人権】より

…とくに近代立憲主義の思想を体系的に示したジョン・ロックの《統治二論》(1690)は重要である。彼によれば,人は自然状態のもとで人間としての生存に不可欠の自然権として固有の所有権propertyを有し,これには生命,自由,財産が含まれるのであるが,自然権をよりよく確保し,社会の安全を維持するために,他人との合意により政治社会すなわち政府を設立する。政府が信託に違反して人民の権利を奪うときは,人民に抵抗権がみとめられる。…

【啓蒙思想】より

…とはいえ,啓蒙の認識論の総じて近世科学のパラダイムをかなり強引に絶対化し,すべての対象領域におしひろげすぎている側面が,のちに,ロマン派の非合理的直観の重視や,弁証法をはじめより動的なパラダイムの模索をよびおこしたことも,また了解しうるところであろう。
[社会・国家・法]
 この領域においては,宗教的超理性的権威にたよらずに人間社会のあるべき姿を基礎づける必要からして,当然,〈自然権〉〈自然法〉の考えが啓蒙思想の全般において強く表面に出てくる。自己および隣人の生命を保存すべきこと,また他人の生命,健康,自由,財産を侵害してはならないことを,理性の法としての自然法の基本的内容にほかならぬものとし,所有権をはじめとする自然権を擁護するかぎりにおいて社会契約による各人の権力の譲渡の上に成立する国家の権力の発動をみとめるという,近代民主主義社会の基本原理をうち立てたロックの考えは,この領域でも,啓蒙時代全般を通じる一つのスタンダードを定めることになった。…

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