三太郎越(読み)さんたろうごえ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三太郎越」の意味・わかりやすい解説

三太郎越
さんたろうごえ

熊本県南部、薩摩街道(さつまかいどう)が八代(やつしろ)市から葦北(あしきた)郡芦北(あしきた)町を経て、津奈木(つなぎ)町に至る際に九州山地を越える赤松太郎峠(あかまつたろうとうげ)(138メートル)、佐敷太郎峠(さしきたろうとうげ)(324メートル)、津奈木太郎峠(278メートル)の三峠の総称急傾斜のつづら折りの山道を上り下りする難所としても有名。1957年(昭和32)から1965年にかけて行われた国道3号の大改修によって、峠道はいずれもトンネルにとってかわられ、ほぼ廃道となっている。

[山口守人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「三太郎越」の意味・わかりやすい解説

三太郎越 (さんたろうごえ)

熊本県八代市日奈久と水俣市との間にある鹿児島街道の赤松太郎峠,佐敷太郎(さしきたろう)峠,津奈木太郎峠の総称。九州山地西端,八代海に臨む難所として知られ,藩政時代薩摩藩の参勤交代路で,西南戦争の西郷軍もこの峠越えに難渋した。1965年これらの峠を迂回する新国道(国道3号線)が開通し,八代~水俣間の交通の便は大幅に改善された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の三太郎越の言及

【津奈木[町]】より

…標高300m前後の山々が広く占め,海岸部はリアス海岸をなす。国道3号線,鹿児島本線が通じるが,東境にある津奈木太郎峠(現在はトンネルが開通)は赤松太郎峠,佐敷太郎峠とともに古くは〈三太郎越〉と呼ばれる有名な難所であった。農漁業を基幹とし,農業ではアマナツのほかに畜産も盛んである。…

※「三太郎越」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android