ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
九州の中部を、北北東から南南西の方向に走っている九州の脊梁(せきりょう)山地。紀伊山地、四国山地に続く西南日本外帯山地の一部で、古生層と中生層からなり、幅は広い所で約80キロメートル、長さは約200キロメートルに達する。北西側は中央構造線にあたる祖母山(そぼさん)断層崖(がい)や日奈久(ひなぐ)断層崖などで中九州火山地域に接し、南東側は宮崎平野と南九州火山地域に接する。北東部と南西部はそれぞれ豊後水道(ぶんごすいどう)・日向灘(ひゅうがなだ)北部と、八代海(やつしろかい)・東シナ海に終わり、とくに豊後水道に終わる所は標式的なリアス式海岸をなしている。壮年期の山地の内部は、場照山(ばてるやま)(661メートル)、佩楯山(はいだてさん)(754メートル)、大崩山(おおくえやま)(1644メートル)、行縢山(むかばきやま)(830メートル)、祖母山(1756メートル、最高峰)、傾山(かたむきやま)(1605メートル)、国見岳(くにみだけ)(1739メートル)、市房山(いちふさやま)(1721メートル)、白髪岳(しらがだけ)(1417メートル)、国見山(くにみやま)(969メートル)などのブロックに分かれるが、高所に平頂峰が分布し、隆起準平原の存在を思わす。南西部には人吉(ひとよし)の断層盆地があり、球磨(くま)川は盆地の水を集めて山地の一部を横切って、八代海に注ぐ。中部では一ツ瀬(ひとつせ)川、耳(みみ)川、五ヶ瀬(ごかせ)川などが山地を横切って日向灘へ流れるが、五ヶ瀬川上流では、谷を埋める阿蘇(あそ)溶岩を侵食して高千穂峡(たかちほきょう)の名勝をつくっている。また、緑(みどり)川が西流して島原湾に注ぐ。そのほか、北部は大野川、南部は大淀(おおよど)川、川内川(せんだいがわ)の水源となっている。
祖母傾山地は古生層、中生層を基底とし、見立礫岩(みたてれきがん)層や祖母火山岩類が主体を構成し、一部に花崗(かこう)岩の貫入があって錫(すず)鉱を含み、木浦(きうら)、見立、尾平(おびら)、豊栄(ほうえい)などの鉱山が開発されていた。古生層山地には石灰岩を挟み、交通の便のよい津久見(つくみ)などで採掘されている。年降水量2000~3200ミリメートル、森林がよく繁茂し、林業が一般的な産業となり、シイタケ栽培も盛んである。諸河川は水量豊富で、西日本最大の電源地帯となっている。海岸地域は水、電力、交通などの条件に恵まれて、八代、水俣(みなまた)、津久見、佐伯(さいき)などの工業都市が発達している。
その交通遮断性は大で、南北両九州を分かち、南九州の近代化の大きな妨げとなり、五家荘(ごかのしょう)、椎葉(しいば)、米良荘(めらのしょう)などの隔絶山村を含んでいる。大分県と宮崎県、宮崎県と熊本県、熊本県と鹿児島県の各県境をなしており、自然的境界の意義も大きい。
[兼子俊一]
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
12/21 デジタル大辞泉を更新
12/21 デジタル大辞泉プラスを更新
12/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/28 デジタル大辞泉プラスを更新
10/28 デジタル大辞泉を更新
10/27 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新