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九州山地 きゅうしゅうさんち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

九州山地
きゅうしゅうさんち

九州の中部を北東から南西方向に貫く山地。最大幅 80km。山地の北縁は臼杵市八代市を結ぶ線で,長さ 150km。これを境に南九州と北九州とに分れる。最高峰は大分,宮崎県境の祖母山 (1756m) 。そのほか,東から傾山国見岳市房山尾鈴山などがあり,東端に宗太郎越,西端に三太郎峠の交通難所がある。山地は古生層,中生層の累層で,全体的には褶曲構造であるが,ところどころに褶曲を破って火成岩石英斑岩などの露出がみられる。臼杵,津久見では石灰石を採掘。豊栄などの鉱山もある。多雨地帯で林産も多い。山地から流れ出して日向灘に注ぐ五ヶ瀬川耳川一ツ瀬川大淀川,八代海に注ぐ球磨川などは電源開発が盛ん。特に耳川上流の上椎葉ダムは日本最初のアーチ式ダムとして知られる。山地を刻むV字谷の奥深くに五家荘米良荘椎葉荘などの集落がある。

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デジタル大辞泉の解説

きゅうしゅう‐さんち〔キウシウ‐〕【九州山地】

九州中部を北東から南西の方向に走る山地。最高峰は祖母(そぼ)山で標高1758メートル。西日本最大の電源地帯。南部の照葉樹林地帯には湧水群があり、大淀川の源流ともなっている。

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百科事典マイペディアの解説

九州山地【きゅうしゅうさんち】

九州中部を北東〜南西方向に長さ150kmにわたり横切る山地。幅は最大80km。北は臼杵(うすき)〜八代(やつしろ)構造線を境として阿蘇山に接し,南は霧島山に接する。
→関連項目五木[村]宇目[町]大分[県]九州中央山地国定公園熊本[県]蘇陽[町]人吉盆地三重[町]宮崎[県]

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世界大百科事典 第2版の解説

きゅうしゅうさんち【九州山地】

九州の中央部を北東~南西方向に走る脊梁山地。四国山地紀伊山地に続く西南日本外帯の一部で,北部は西南日本中央構造線にあたる臼杵‐八代線,南部は宮崎平野に接する線と出水いずみ)山地の南縁で限られている。その範囲は大分,宮崎,熊本,鹿児島の4県にまたがっており,長さ約150km,幅は広いところで約80kmに達する。地質は古生層,中生層,第三紀層が北から南へかけて山地と同方向に帯状に分布している。部分的には宮崎県北部や中央部の市房山付近などに花コウ岩が貫入し,また祖母山付近には火山岩の噴出もみられる。

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大辞林 第三版の解説

きゅうしゅうさんち【九州山地】

九州中部を北東から南西へ横断する山地。壮年山地で険しく、森林および水力資源に恵まれる。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔県域外〕九州山地(きゅうしゅうさんち)


九州中部を北東から南西に走る山地。「九州の屋根」とよばれ、大分・宮崎・熊本・鹿児島の4県にまたがる。幅は最大で80km、長さ約150km。紀伊(きい)山地・四国山地に続く西南日本外帯(がいたい)山地の一部にあたる。北は別府―島原地溝帯(ちこうたい)(北東から両子(ふたご)・鶴見(つるみ)・由布(ゆふ)・くじゅう連山・阿蘇(あそ)・金峰(きんぽう)・雲仙(うんぜん)と並ぶ火山列)の南縁に接する臼杵(うすき)―八代(やつしろ)線(中央構造線の西端部)、南は宮崎平野と出水(いずみ)山地を結ぶ断層群に沿う。最高峰は大分・宮崎県境に位置する祖母(そぼ)山(標高1756m)で、北の祖母・傾(かたむき)山塊、中央の国見(くにみ)岳・市房(いちふさ)山塊、南の白髪(しらが)・国見山塊に分かれる。内部に五ヶ瀬(ごかせ)川の高千穂(たかちほ)峡、球磨(くま)川の人吉(ひとよし)盆地などの断層崖(だんそうがい)をつくり、両端の豊後(ぶんご)水道・八代海沿岸はリアス式海岸となっている。九州山地は九州中部と南部を隔てる自然的境界をなし、東端の宗太郎越(そうたろうごえ)、西端の三太郎越(さんたろうごえ)など南北交通の難所をなす。熊本県の五家荘(ごかのしょう)、宮崎県の椎葉(しいば)・米良荘(めらのしょう)などは平野部から隔絶された山村となっている。北東端の豊後水道沿岸は日豊(にっぽう)海岸国定公園、北部は祖母傾(そぼかたむき)国定公園、中央部は九州中央山地国定公園に指定されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

九州山地
きゅうしゅうさんち

九州の中部を、北北東から南南西の方向に走っている九州の脊梁(せきりょう)山地。紀伊山地、四国山地に続く西南日本外帯山地の一部で、古生層と中生層からなり、幅は広い所で約80キロメートル、長さは約200キロメートルに達する。北西側は中央構造線にあたる祖母山(そぼさん)断層崖(がい)や日奈久(ひなぐ)断層崖などで中九州火山地域に接し、南東側は宮崎平野と南九州火山地域に接する。北東部と南西部はそれぞれ豊後(ぶんご)水道・日向灘(ひゅうがなだ)北部と、八代(やつしろ)海・東シナ海に終わり、とくに豊後水道に終わる所は標式的なリアス式海岸をなしている。壮年期の山地の内部は、場照山(ばてるやま)(661メートル)、佩楯山(はいだてさん)(754メートル)、大崩山(おおくえやま)(1644メートル)、行縢山(むかばきやま)(830メートル)、祖母山(1756メートル、最高峰)、傾山(かたむきやま)(1605メートル)、国見岳(くにみだけ)(1739メートル)、市房山(いちふさやま)(1721メートル)、白髪岳(しらがだけ)(1417メートル)、国見山(くにみやま)(969メートル)などのブロックに分かれるが、高所に平頂峰が分布し、隆起準平原の存在を思わす。南西部には人吉(ひとよし)の断層盆地があり、球磨(くま)川は盆地の水を集めて山地の一部を横切って、八代海に注ぐ。中部では一ツ瀬(ひとつせ)川、耳(みみ)川、五ヶ瀬(ごかせ)川などが山地を横切って日向灘へ流れるが、五ヶ瀬川上流では、谷を埋める阿蘇(あそ)溶岩を侵食して高千穂(たかちほ)峡の名勝をつくっている。また、緑(みどり)川が西流して島原湾に注ぐ。そのほか、北部は大野川、南部は大淀(おおよど)川、川内(せんだい)川の水源となっている。
 祖母傾山地は古生層、中生層を基底とし、見立礫岩(みたてれきがん)層や祖母火山岩類が主体を構成し、一部に花崗(かこう)岩の貫入があって錫(すず)鉱を含み、木浦(きうら)、見立、尾平(おびら)、豊栄(ほうえい)などの鉱山が開発されていた。古生層山地には石灰岩を挟み、交通の便のよい津久見(つくみ)などで採掘されている。年降水量2000~3200ミリメートル、森林がよく繁茂し、林業が一般的な産業となり、シイタケ栽培も盛んである。諸河川は水量豊富で、西日本最大の電源地帯となっている。海岸地域は水、電力、交通などの条件に恵まれて、八代、水俣(みなまた)、津久見、佐伯(さいき)などの工業都市が発達している。
 その交通遮断性は大で、南北両九州を分かち、南九州の近代化の大きな妨げとなり、五家荘(ごかのしょう)、椎葉(しいば)、米良荘(めらのしょう)などの隔絶山村を含んでいる。大分県と宮崎県、宮崎県と熊本県、熊本県と鹿児島県の各県境をなしており、自然的境界の意義も大きい。[兼子俊一]

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