三年目(読み)さんねんめ

改訂新版 世界大百科事典 「三年目」の意味・わかりやすい解説

三年目 (さんねんめ)

落語演題原話は《遊子珍学問(ゆうしちんがくもん)》(桜川慈悲成作。1803)という噺本に収載されている。《三年目の幽霊》ともいい,上方では《茶漬幽霊》という。ある男の女房が死ぬとき,もしほかの女と連れ添ったら婚礼の晩に幽霊になって出るから,といい残す。男はまわりのすすめで後妻を迎えるが,幽霊は出ない。出ないままに3回忌を迎えるが,その晩先妻の幽霊が現れ恨みごとをいうので,男がなぜ早く出て来なかったのだと聞くと,亡くなるときに坊主頭にされたので,〈坊主頭で出て愛想を尽かされるといけないから,毛の伸びるまで待っておりました〉。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三年目」の意味・わかりやすい解説

三年目
さんねんめ

落語。4代橘家円喬(たちばなやえんきょう)が得意とし、5代・6代の三遊亭円生(えんしょう)が継承した。大恋愛のすえ結婚したが、女房は死んでしまう。夫は妻が死ぬ前に「私が後妻をもらったら婚礼の夜に幽霊になって出ておいで」と約束する。男はやがて人の勧めで再婚するが、幽霊はなかなか出てこない。その後、子供が生まれ、3年目の法事を迎える。その夜、先妻が幽霊になって現れる。「なぜ、もっと早く出ないのか」「わたしが死んだとき、ご親戚(しんせき)で坊さんにしたでしょう。坊さんでは愛想(あいそ)をつかされるから、毛の伸びるまで待ってました」。上方(かみがた)落語では『茶漬(ちゃづけ)幽霊』といい、茶漬を食べている昼間に幽霊が出るので「なぜ夜出ないのか」「夜は怖い」。

[関山和夫]

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デジタル大辞泉プラス 「三年目」の解説

三年目

古典落語演目ひとつ。「三年目の幽霊」とも。大阪では「茶漬幽霊」と題する。四代目橘家圓喬が得意とした。

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