茶漬(読み)チャヅケ

デジタル大辞泉 「茶漬」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐づけ【茶漬(け)】

飯に熱い茶をかけること。また、その飯。薄味だし汁をかけることもある。
粗末な食事。また、簡単な食事。
[類語]湯漬け

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精選版 日本国語大辞典 「茶漬」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐づけ【茶漬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 飯に熱い茶をかけること。また、そのもの。ちゃづ。茶漬飯
    1. [初出の実例]「寝ほうけてやつれ果てたよ我が姿 茶づけばかりを喰ひにけらしも」(出典:俳諧・桃青門弟独吟廿歌仙(1680)嵐雪独吟)
  3. 粗末な食事。また、簡単な食事をいう。
    1. [初出の実例]「何もないが茶漬を一ぱい出すで、勝手口の方へ廻ってお呉れ」(出典:夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部)
  4. ちゃづけや(茶漬屋)」の略。
    1. [初出の実例]「ほんにあの茶漬のやぢをがひまちをして居るだらうよりなはるか」(出典:洒落本・志羅川夜船(1789)素見高慢)
  5. ちゃづけめし(茶漬飯)」の略。〔俚言集覧(1797頃)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「茶漬」の意味・わかりやすい解説

茶漬 (ちゃづけ)

飯に茶をかけたもの。飯に水をかけて食べる水飯(すいはん)や湯をかけて食べる湯漬(ゆづけ)は古くから行われており,《源氏物語》その他の平安期の文学作品にもしばしば名が見られる。室町時代にはむやみに湯漬が愛好されたが,これは足利義政が酒に酔ったとき飯に湯をかけて食べたことから,世上一般に広まったなどといわれ,供宴においての湯漬の供し方や食べ方についての約束事さえ設けられる始末であった。茶漬が日常的なものになるのは,江戸時代になって煎茶が普及してからのことになる。冷たい残り飯に熱い茶をかけ,ありあわせのものを菜とする簡便な食事法として定着した。一方,江戸後期になって各地に手軽な食事をさせる茶漬屋が盛んになった。江戸では安永(1772-81)の初め浅草並木町に〈海道茶漬〉,天明(1781-89)に入って下谷大恩寺前町に〈七色なないろ)茶漬〉を称する店ができた。七色茶漬は7種の漬物を添えたもので,吉原通いの遊客らの評判になり,その後各所にこれを名のる店がふえたという。やがて,茶漬にもいろいろくふうが凝らされるようになり,タイの刺身を使う〈鯛茶(たいちや)〉,ウナギ白焼き蒲焼を使う〈うな茶〉,てんぷらを使う〈天茶〉なども行われるようになった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「茶漬」の意味・わかりやすい解説

茶漬
ちゃづけ

白飯に熱い湯や茶,出し汁を掛けて食べる食事。かつては多忙と粗食代名詞のようにいわれたが,今日ではたい茶漬,海苔茶漬などと称し,嗜好食として普及している。起源は奈良時代にまでさかのぼるといわれ,節米の手段として飯を薄めた粥が食され,さらに料理の手間を省くものとして普及したと伝えられている。

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百科事典マイペディア 「茶漬」の意味・わかりやすい解説

茶漬【ちゃづけ】

米飯に熱い茶をかけた食事。飯に湯をかけて食べる湯漬は古くから行われたが,江戸時代に煎茶が普及してからは茶漬が簡便な食事法として広まった。普通は冷飯に番茶をかけ漬物等で食べる。のりをあしらったのり茶,タイの刺身をのせた鯛(たい)茶,ウナギのかば焼を使ううな茶,てんぷらを使う天茶などもある。

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