三月堂(読み)サンガツドウ

デジタル大辞泉 「三月堂」の意味・読み・例文・類語

さんがつ‐どう〔サングワツダウ〕【三月堂】

東大寺法華堂異称3月法華会ほっけえを行うところからいう。

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精選版 日本国語大辞典 「三月堂」の意味・読み・例文・類語

さんがつ‐どう サングヮツダウ【三月堂】

奈良市にある東大寺法華堂の通称。毎年陰暦三月に法華会が行なわれるところからこの名がある。寺内最古の建造物で、天平五年(七三三)の創建といわれる。本尊の不空羂索(ふくうけんじゃく)観音立像をはじめ日光・月光菩薩梵天(ぼんてん)・帝釈天像、四天王像、金剛・密迹(みっしゃく)力士像、執金剛(しつこんごう)神像はいずれも国宝羂索堂

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三月堂」の意味・わかりやすい解説

三月堂
さんがつどう

奈良東大寺の法華堂(ほっけどう)の通称。不空羂索観音菩薩(ふくうけんじゃくかんのんぼさつ)像を本尊とするところから、古くは羂索堂(院)とよばれた。平安時代にはこの堂で3月に法華会(え)が恒例的に行われたため、法華堂、三月堂と称するようになった。

[編集部]

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旺文社日本史事典 三訂版 「三月堂」の解説

三月堂
さんがつどう

奈良市の東大寺法華堂の通称。

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世界大百科事典(旧版)内の三月堂の言及

【寺院建築】より

…奈良の大寺は中心伽藍のほか,各種の機能を果たす院や本尊以外の仏菩薩などをまつる別院が寺内に置かれ,広大な寺地をもった。東大寺内も別院が多く,羂索院法華堂(三月堂)は双堂(ならびどう)形で建てられ,鎌倉中期に礼堂を再建して1棟とした西大寺は2棟の華麗な金堂をもち,多数の院ごとに仏堂と僧房を有した。唐から律を伝えた鑑真の唐招提寺は私寺ながら4町の寺地を有し,当時の金堂,講堂を存している。…

【東大寺】より

…しかし今日なお多くの文化財を有し,とりわけ12世紀末と18世紀初めの復興もあって,創建時の奈良時代,復興時の鎌倉時代,江戸時代の優れた文化財を残している。(1)奈良時代 建築では法華堂(三月堂),北西の門にあたる転害(てがい)門,正倉院ほか数棟の校倉(あぜくら)がある。法華堂は古く羂索堂とも呼ばれ,正堂と礼堂(らいどう)を並べる双堂(ならびどう)であったが,南側の礼堂は鎌倉中期に再建され,両堂をつないで一棟とされた。…

【奈良時代美術】より

…像身は細身で直立に近く,量感に乏しいが,その表出には次の盛期を待たねばならない。
[盛期]
 746年(天平18)ころの造立とみられるものに,東大寺法華堂(三月堂)の諸尊がある。中央本尊の不空羂索(けんじやく)観音像を中心に梵天・帝釈天像,金剛力士像,四天王像などの乾漆像が並立する。…

※「三月堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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