朝日日本歴史人物事典 「三条公忠」の解説
三条公忠
生年:貞和2/正平1(1346)
南北朝期の公卿。一説に弘和3年12月27日死亡。父は前内大臣実忠,母は川原公直の娘。のち後押小路内府とも呼ばれる。歌人としても知られる。近衛中将,権中納言,権大納言を歴任し延文5/正平15(1360)年内大臣。有職故実に精通し,公家の中で公忠を師と仰ぐ者が多かったという。書にも優れ願文,諷誦文の清書の依頼も多く絵巻物の『暮帰絵詞』の詞書筆者のひとりとしても知られる。日記『後愚昧記』(『大日本古記録』所収)を残しており,南北朝期の社会,歌壇史研究の上でも有用な重要史料となっている。
(小森正明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報