朝日日本歴史人物事典 「三枡大五郎」の解説
三枡大五郎(4代)
生年:寛政10(1798)
幕末期の歌舞伎役者。俳名梅升,屋号京枡屋。3代目大五郎三枡大五郎(3代)の子。初め由亀を名乗り10歳で大坂道頓堀の豊竹若太夫芝居の座本を勤め,子供芝居を経て文政3(1820)年14歳の冬他人と改名,京の大芝居で修業を積んだ。23歳で中村源之助と改名して江戸に下り「東下りの業平さま」と好評を得,姓を三枡に戻して江戸の芝居を18年間勤めた。帰坂後,白大上上吉と位も上がり,弘化3(1846)年,大五郎を襲名。男ぶりよく大柄で,演技もこせつかず,2代目嵐吉三郎に面影が似て人品のよい役に向き,父が中芝居役者だったのに対し,幕末期の最も大歌舞伎らしい立役だった。なお5代は門弟の梅舎が継いだが明治6(1873)年に没し,この名跡は途絶えた。
(青木繁)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報