朝日日本歴史人物事典 「三沢初子」の解説
三沢初子
生年:寛永16(1639)
江戸中期の歌舞伎,浄瑠璃「伽羅先代萩」の政岡のモデルとされる。実在の初子は鳥取藩士三沢清長の娘。江戸前期,仙台藩主伊達綱宗の側室となり世子亀千代(4代藩主綱村)を生んだ。綱宗が幕命により不品行を理由に隠居させられ,2歳の綱村が跡を継ぐと,万治・寛文年間(1658~73)のいわゆる伊達騒動が起きた。それをもとに演劇,小説が書かれ,初子をモデルに忠義者の乳母政岡像が描かれたといわれる。<参考文献>作並清亮編『東藩史稿』,『伊達治家記録』
(柴桂子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報