三車(読み)サンシャ

デジタル大辞泉 「三車」の意味・読み・例文・類語

さん‐しゃ【三車】

法華経譬喩品ひゆほんに説くたとえ。ある長者の家が火事になったとき、家の中の子供たちによう車・鹿ろく車・車を与えるからと言って屋外に避難させた。長者を仏に、火事の家をこの世に、子供を世の人に、羊車鹿車牛車をそれぞれ声聞乗しょうもんじょう縁覚乗えんがくじょう菩薩乗ぼさつじょうにたとえたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「三車」の意味・読み・例文・類語

さん‐しゃ【三車】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「さんじゃ」とも。「法華経‐譬喩品」の「如彼長者初以三車引諸子。然後但与大車宝物荘厳安隠第一。然彼長者、無虚妄之咎」から出た語 ) 仏語。羊車・鹿車・牛車(ごしゃ)の三つのこと。火宅にたとえた三界の苦から衆生を救うものとして、声聞・縁覚・菩薩の三乗を羊・鹿・牛の三車に、一仏乗大白牛車(だいびゃくごしゃ)にたとえたもの。羊鹿牛車(ようろくごしゃ)みつのくるま。〔法華義疏(7C前)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三車」の意味・わかりやすい解説

三車
さんしゃ

『法華経』比喩品に現れる3種の乗物のたとえ。 (1) 羊車を声聞乗に,(2) 鹿車を縁覚乗に,(3) 牛車を大乗にたとえている。

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