菩薩乗(読み)ボサツジョウ

デジタル大辞泉 「菩薩乗」の意味・読み・例文・類語

ぼさつ‐じょう【××薩乗】

仏語三乗の一。自分になるとともに、他をも悟りに至らせる教法仏乗大乗

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精選版 日本国語大辞典 「菩薩乗」の意味・読み・例文・類語

ぼさつ‐じょう【菩薩乗】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「乗」は乗物の意 ) 仏語。三乗の一つ。自ら仏になるとともに、他を悟りに至らせる教えのこと。大乗仏教徒がそれ以前の比丘沙門立場と区別して自己の立場を呼んだもの。仏乗。大乗。
    1. [初出の実例]「有四句。無価比菩薩。上価比縁覚乗。中価比声聞乗。下価比人天乗」(出典:勝鬘経義疏(611)摂受正法章)
    2. [その他の文献]〔法華文句‐七上一〇〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「菩薩乗」の意味・わかりやすい解説

菩薩乗
ぼさつじょう
bodhisattvayāna

仏教用語。大乗仏教の実践者たちは菩薩であり,修行僧や沙門の立場をそれぞれ声聞乗,縁覚乗の二乗とし,みずからの立場を菩薩乗とし,合わせて三乗という。その特徴は,多くの人々を救うことを目的とした利他行にあり,六波羅蜜を行じるものでなくてはならない。

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世界大百科事典(旧版)内の菩薩乗の言及

【三乗】より

…乗は〈乗物〉であって,人間が悟りの境界へ至るための乗物すなわち教えを意味している。大乗仏教では全仏教を声聞乗(しようもんじよう),縁覚乗(えんがくじよう),菩薩乗(ぼさつじよう)の3種に分け,それぞれ能力の異なった3種類の対象のために異なった教えがあるとしている。声聞は最も能力の劣ったもので,仏の声に導かれてみずからの悟りのみを求めるものであり,次位の縁覚はひとりで悟りを開いたもの,最上位の菩薩はみずからのためのみならずいっさいの人間の悟りのために修行しているものを意味し,声聞,縁覚は自利,菩薩は自利利他とする。…

※「菩薩乗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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