日本大百科全書(ニッポニカ) 「三輪バイク」の意味・わかりやすい解説
三輪バイク
さんりんばいく
trike
車輪を三つ(前輪1・後輪2、または前輪2・後輪1)もつ自動車。英語名のトライクも呼称としてよく使われる。オートバイを改造したものが多いが、一部のメーカーから専用モデルも販売されている。オートバイの感覚で乗ることができるにもかかわらず、低速での安定感が高く、また積載性にも優れている。反面、コーナリング時の安定感に欠け、オートバイに比較して重量があるため燃費が悪い。近年、人気が出ており、アメリカのハーレーダビッドソン社は2014年(平成26)から日本でもトライクモデルの発売を開始した。
日本における法的な位置づけは、かつてのいわゆるオート三輪(三輪自動車)と同じであるが、戦後の復興期にオートバイから「自動車」を作ろうとして誕生したオート三輪とはその成り立ちが異なる。日本の法律では三輪バイクは想定されておらず、道路交通法と道路運送車両法で扱いが異なる。このため結果的に普通自動車免許で運転でき、ヘルメットの装着やシートベルトの設置義務を負わなかった。しかし2009年(平成21)9月に道路交通法施行規則が変更され、「内閣総理大臣が指定する三輪の自動車は二輪車」とみなされることになり、運転には二輪免許が必要で、ヘルメットの装着が義務づけられた。ただし二輪車とみなす要件の一つに「3輪のうち並列する2輪の接地点の幅が460ミリメートル未満」と規定されているため、結果的にほとんどの三輪バイクが対象外となっている。
[編集部]