上エジプト(読み)かみエジプト(その他表記)Upper Egypt

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上エジプト」の意味・わかりやすい解説

上エジプト
かみエジプト
Upper Egypt

エジプト北緯 30°以南のナイル川河谷をさす地理的,文化的区分。北緯 30°以北,デルタ地帯の下エジプトと対比して用いられる。前4千年紀末頃,多数部族国家統一して上エジプト王国が出現し,下エジプトと別個の国家を形成したが,前 3000年頃下エジプトの上エジプトに対する制覇という形で上下エジプトの統一が実現した。メネス王によると言い伝えられている。以後エジプト王は「上下エジプトの王」と称された。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「上エジプト」の解説

上エジプト(かみエジプト)

デルタ(下(しも)エジプト)地方に対して,その南端メンフィスより上流のナイル河谷地方を呼ぶ。南限はほぼアスワン付近まで。下流からテル・エル・アマルナテーベなど遺跡に富む。

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世界大百科事典(旧版)内の上エジプトの言及

【エジプト】より

…アフリカ大陸の北東隅,ナイル川第1急湍(たん)以北の約1200kmにわたる細長い流域地帯が本来のエジプトで,地形上幅8~25kmの河谷地帯(上エジプト)と河口のデルタ地帯(下エジプト)とからなる。古くよりガルビーヤ砂漠中のオアシス(シワSiwa,バフリーヤal‐Baḥrīya,ファラーフィラal‐Farāfira,ダーヒラal‐Dākhila,ハーリジャ(カルガ)al‐Khārija,Khargaの各オアシス),第1・第2急湍間の下ヌビア,紅海沿岸,シナイ半島を勢力圏とし,この地域は現在のエジプト・アラブ共和国にほぼ対応する。…

【エジプト】より

…アフリカ大陸の北東隅,ナイル川第1急湍(たん)以北の約1200kmにわたる細長い流域地帯が本来のエジプトで,地形上幅8~25kmの河谷地帯(上エジプト)と河口のデルタ地帯(下エジプト)とからなる。古くよりガルビーヤ砂漠中のオアシス(シワSiwa,バフリーヤal‐Baḥrīya,ファラーフィラal‐Farāfira,ダーヒラal‐Dākhila,ハーリジャ(カルガ)al‐Khārija,Khargaの各オアシス),第1・第2急湍間の下ヌビア,紅海沿岸,シナイ半島を勢力圏とし,この地域は現在のエジプト・アラブ共和国にほぼ対応する。…

※「上エジプト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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