上三川村(読み)かみのかわむら

日本歴史地名大系 「上三川村」の解説

上三川村
かみのかわむら

[現在地名]上三川町上三川

現上三川町域南東部に位置する。南北に延びる岡本おかもと田原たはら台地鬼怒川低地からなり、村のほぼ中央を川、東寄りをすずめ川、西寄りをいそ川が南流する。東は鬼怒川を隔てて芳賀はが郡、西は上蒲生かみかもう村・下蒲生村、南は五分一ごぶいち村・村・坂之上さかのうえ村・三本木さんぼんぎ村、北は上郷かみごう村・小里おさと村・三間在家さぎざき村。元禄郷帳にみえる上三川中町なかまち・上三川下町しもまち・上三川大町おおまち村・東館ひがしだて村の総称。「和名抄」にみえる河内郡三川みかわ郷は川・無名瀬むなせ川と鬼怒川あるいは江川の三河川によって形成された当地に比定される。

延元四年(一三三九)三月二〇日の北畠親房御教書写(結城文書)に「上三川城」の名がみえる。永享一〇年(一四三八)二月二九日には戸祭高義らが当地の知行分である権現堂免田を一〇年間六郎大夫に売却している(「戸祭高義等連署田地去状」健田須賀神社文書)天台宗にかかわる二諦義案立(輪王寺蔵)が文明九年(一四七七)に真海、両界儀軌見聞(叡山文庫)が同一一年に信俊によって当地で筆写されている。那須政資・高資の父子対立の際、天文八年(一五三九)と推定される一〇月一八日の小山高朝書状(白川文書)によると、九月一八日以降に高資方の結城政勝が当地に再三攻め込んでいる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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