上三川(読み)かみのかわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「上三川」の意味・わかりやすい解説

上三川(町)
かみのかわ

栃木県南部、河内郡(かわちぐん)にある町。宇都宮市の南隣に位置する。1893年(明治26)町制施行。1955年(昭和30)本郷村、明治村合併。東は鬼怒(きぬ)川で真岡(もおか)市と境され、町域はおおむね平坦(へいたん)であり、低地は一毛作田、台地畑地かんぴょうが特産品。近年では稲作から野菜栽培への転作が増加、施設園芸が盛んになっている。1970年以降、日産自動車の製造工場と関連工場の立地により、急速に工業化が進展し、1970~1990年の20年間に約9300人の人口増加をみた。社宅群の建設や新商店街の形成がなされ工場周辺の景観は一変した。町の中央部の工場付近を国道新4号が通じ、町の西端には宇都宮貨物ターミナル駅(JR東北本線所属)が建設され、流通センターの役割が増加しつつある。北端に北関東自動車道の宇都宮上三川インターチェンジがあり、南部を国道352号が走る。2003年(平成15)上神主茂原官衙遺跡(かみこうぬしもばらかんがいせき)が国の史跡に指定された。面積54.39平方キロメートル、人口3万0806(2020)。

[村上雅康]

『『上三川町史』全4巻(1979~1981・上三川町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「上三川」の意味・わかりやすい解説

上三川[町] (かみのかわ)

栃木県南部,河内郡の町。人口3万1621(2010)。宇都宮市の南に接し,鬼怒川西岸の平地を占める。カンピョウ生産の中心地で,キュウリイチゴなどの施設園芸やホウレンソウなど野菜の生産が多い。1960年代の初めから工場誘致をすすめ,68年に日産自動車栃木工場の進出をみた。このため70-75年の人口増加率は31%に達し農業中心の就業構成は一変して製造業が農業を上回るに至った。製造品出荷額等では宇都宮,足利に次ぐ規模である(1995)。西に接する下野市の旧石橋町との境をJR東北本線が,町の中央を国道4号線バイパスが南北に走り,北部を北関東自動車道が横切る。中世に宇都宮氏が築いた上三川城跡がある。
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百科事典マイペディア 「上三川」の意味・わかりやすい解説

上三川[町]【かみのかわ】

栃木県南部,河内(かわち)郡の町。鬼怒(きぬ)川中流西岸の平地を占め,水田が広く開ける。米,野菜,イチゴを産し,かんぴょうを特産する。自動車,家電製品製造など工業も盛ん。宇都宮氏の上三川城跡などがある。東日本大震災で,町内において被害が発生。54.39km2。3万1621人(2010)。

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