上山寺(読み)じようさんじ

日本歴史地名大系 「上山寺」の解説

上山寺
じようさんじ

[現在地名]丹後町上山

上山うえやま岳の山頂近く、北方日本海を見渡す地にある。天応元年(七八一)明法の開山と伝える。山号吉野山、高野山真言宗本尊十一面観世音菩薩(立像、伝聖徳太子作)。脇侍阿弥陀如来・薬師如来、もと嵯峨大覚さがだいかく(現京都市右京区)末。

草創についてはつまびらかでないが、本尊・脇侍とも藤原期を下ることはないとされるので、創建のきわめて古いことが推察される。役小角が金剛童子こんごうどうじ(現弥栄町)行場を開いた頃、この地に草庵を結んだのに始まるという寺伝からもうかがえるように、寺の所在地から吉野よしの山・金剛童子山にかけてが古くからの地方霊場の山であり、その拠点としてやがて建立されたと推測される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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