上川名貝塚(読み)かみかわなかいづか

日本歴史地名大系 「上川名貝塚」の解説

上川名貝塚
かみかわなかいづか

[現在地名]柴田町上川名

東北本線槻木つきのき駅から北約二・五キロに位置。標高二四五・四メートルの猪倉いのくら山から南に延びる台地より南西に突出した舌状台地先端部。鹿島神社南方の東西斜面にあり、鹿島神社貝塚を含めて環状貝塚となる。第二次世界大戦直後の調査によると、二メートルを超えるシジミ層とその下層に約三〇センチの鹹水産ハマグリ・カキ貝層があり、層位的堆積が明らかで、海退による周辺環境の変化を示す。上層のシジミ層の土器は、上川名II式として東北地方前期初頭縄文土器の標式とされる。特徴は土器胎土に繊維を多量に含み、地文として羽状縄文を施し、それに竹管文、撚糸文または竹管撚糸文によって装飾帯を構成する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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