上徳良村(読み)かみとくらむら

日本歴史地名大系 「上徳良村」の解説

上徳良村
かみとくらむら

[現在地名]大和町上徳良

萩原福田はいばらふくだ村の南に位置する備後国世羅郡南端の村。椋梨むくなし川支流徳良川の中流域に広がる平坦地を中心とする。もとは下徳良村と一村で、中世には得良とくら郷と称された。徳良川支流の北岸山腹には前谷まえだに古墳群があり、徳良川流域には条里制の遺構が認められる。

元和五年(一六一九)七月一三日の厳島社社家供僧内侍三方給地等付立(厳島野坂文書)によれば、御造営領付立大願寺分のなかに土倉とくら村とあり、四二石六升三合が厳島神社造営領とされた。備後国知行帳に「上戸蔵村」とみえ、高一千五六石七升九合、「芸藩通志」には、畝数一三九町八反九畝二七歩、戸数一八九・人口九五五、牛一一四・馬四三、御建山に八幡山、御留山に大篠おおざさ山、池に島田奥しまだおく池など六ヵ所、神社に八幡宮二ヵ所、寺院に天正元年(一五七三)僧宗春開基阿弥陀如来本尊とする光永山照明しようみよう(現浄土真宗本願寺派)・光明山宝生ほうしよう(現真言宗泉涌寺派)廃寺金剛こんごう寺・照覚しようかく寺、城跡近友ちかとも(城主不明、菅実平居城とも)、下徳良村境の宮迫みやさこ(長崎国右衛門居城、永井右衛門大夫居城とも)を記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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