上有市村(読み)かみありちむら

日本歴史地名大系 「上有市村」の解説

上有市村
かみありちむら

[現在地名]笠置町大字有市ありいち

西流する木津きづ川の北岸に位置し、村の南部を東西伊賀街道が通る。地名は「三代実録」貞観元年(八五九)五月二八日条に「山城国(中略)有市国津神」とみえ、この有市国津神は当地に鎮座する有市国津くにつ神社に比定される。また寛平八年(八九六)四月二日付太政官符(類聚三代格)に有市郷がみえ、南都興福寺ほか諸大寺の杣であった(→北大河原村

享保一四年(一七二九)の山城国高八郡村名帳によれば高二三〇・三六石で津藩領。明治一〇年代の調べでは田一五町余、畑四町余、戸口は三九戸、一八二人、物産として製茶・薪があげられる(京都府地誌)

村の北方三太夫さんだゆう山があり、南麓は当村に属した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報