上村八幡神社(読み)かみむらはちまんじんじや

日本歴史地名大系 「上村八幡神社」の解説

上村八幡神社
かみむらはちまんじんじや

[現在地名]庄原市山内町 大歳

国兼くにかね川北方の田中たなか山に鎮座祭神は誉田別命・息長帯姫命。旧村社。祠官松村某の先祖が豊前国宇佐郡松崎まつざき村から当地に来住し、宝亀六年(七七五)宇佐八幡宮(現大分県宇佐市)を勧請したと伝える。のちに葛城刑部なる者が再造し、祠官一五人、供僧寺五宇の大規模なものに改めたという(芸藩通志)。付近に西坊にしんぼう(池)岡坊おかぼう(姓)の名が残る。葛城刑部永義は、嘉暦年間(一三二六―二九)葛城かつらぎ(当社西方約四〇〇メートル)に葛城城を築いたと伝えられる人物である(同書)。この辺りは、中世には延暦寺領泉田いずみだ庄に属しており、東隣のじび庄に拠る地頭山内氏が勧請した鶴岡八幡とは違い、別な勢力によって信仰されたものと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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