四訂版 病院で受ける検査がわかる本 「上部消化管内視鏡検査」の解説
上部消化管内視鏡検査
上部消化管内視鏡を使う場合
①診断:生検、擦過
②治療:ポリープ・早期がんの切除、異物の除去、薬物局所注入(がん、止血)
いわゆる胃カメラのことで、ファイバースコープで胃を観察する検査です。先端が喉を通るときは怖がらず、リラックスして受けましょう。
胃がんの確定診断に欠かせない検査
前項のバリウム検査(→参照)で、胃がんや潰瘍が疑われた際に行う最終検査です。
胃がんの場合、確定診断するためにはがん細胞の証明が必要になるため、内視鏡で直接病変を肉眼的に観察・撮影します。がん細胞らしき病変があれば、その場で病変の一部を採取したり(
内視鏡は食道から胃、十二指腸までを調べるもので、がんや潰瘍をはじめポリープ、リンパ腫、炎症の確定診断、食道や胃の静脈
胃がんは白苔や出血、 ひだの乱れなどが写る
胃がんには、胃の粘膜がくぼんだ形(
陥凹型のがんがあると、不整形の白い
■胃がん
早期がんのⅡc型(表面陥凹型)。
マルで囲んだ写真右側の白苔がこびりついているところががん。左下部の穴は十二指腸への出口。直径約1㎝。
マウスピースを口にくわえて検査
検査前に、唾液や胃液の分泌を抑える薬と、胃の運動を抑える薬を筋肉注射し、さらに
観察・生検(擦過)後、ファイバースコープを通して止血剤を胃の中に散布し、空気を吸引し、ファイバースコープをゆっくり抜いて終了です。時間は10~15分、検査後30~60分安静にします(麻酔薬を使ったときは60分くらい)。
なお、近年では、鼻の粘膜をスプレーで麻酔し、鼻からファイバースコープを入れる経鼻内視鏡も行われるようになりました。
検査当日の朝は絶食、常用薬も飲まないように
検査前日の夕食は、8時頃までに済ませ、当日の朝は絶食、常用薬も飲まないようにします。検査前に排尿しておきます。緑内障、前立腺肥大症、心臓病のある人は検査前に申し出ます(→参照)。心臓のペースメーカーが入っていても検査できます。
検査後2~3時間、尿の出が悪くなることがありますが自然に戻るでしょう。検査直後の車の運転は禁止です。
医師が使う一般用語
「いカメラ」「いファイバースコープ」
出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報