下口羽村（読み）しもくちばむら

日本歴史地名大系

下口羽村
しもくちばむら

• 島根県：邑智郡
• 羽須美村
• 下口羽村

[現在地名]羽須美村下口羽

出羽（いずわ）川と江川の合流点に位置し、西は上口羽村、北の江川対岸は備後国大津（おおつ）村・伊賀和志（いかわし）村（現広島県作木村）。元和五年（一六一九）以降に口羽村が上・下に分立したと思われる。正保四年（一六四七）の古田領郷帳に村名がみえ、高五七九石余、免六ツ一分五朱。宝永石見国郷村帳には口羽村（上口羽村）枝郷と注記される。慶安五年（一六五二）の検地について記した明和（一七六四―七二）初年の庄屋覚書（柚木家文書）に田方三八五石余・三七町八反余、畑方一一七石余・三八町九反余とある。元禄一六年（一七〇三）の定免状写（同文書）では高五六三石余、免七ツ四分五厘。寛政四年（一七九二）には高五九三石余（「定免状写」同文書）、同年の用捨改（同文書）には田方四三四石余・四三町一反余、畑方一〇九石余・三六町八反余とある。村の中央を流れる出羽川とその支流長田（ながた）川は急流で流域は狭く、治水・利水は困難であった。安永八年（一七七九）・寛政三年の出羽川洪水を当時の庄屋が記録している（柚木家文書）。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」