下狛村(読み)しもこまむら

日本歴史地名大系 「下狛村」の解説

下狛村
しもこまむら

[現在地名]精華町大字下狛

鞍岡くらおか山・煤谷すすたに山の東麓から、東方木津きづ川に至る平野部を村域とする。村中を南北に奈良街道(歌姫越)が通り、北方を西流する煤谷川をもって菱田ひしだ村と境する。

近世の地誌「山州名跡志」は「下狛しもごま」の項に、「在飯岡坤二十町許、蓋狛ハ総名ニテ、中ニ在別郷、僧房・谷村里村等ナリ、僧房ハ往昔狛寺ノ僧房アル所ナリ、今為村名」と記し、続けて次のように記す。

<資料は省略されています>

古代は下狛しもつこま郷の地。「貞信公記」天慶三年(九四〇)四月二〇日条に、羽藤太なるものが下狛里に隠居したことが記され、翌二一日条に「遣検非違(使脱カ)令追捕羽藤太」とある。また延久四年(一〇七二)九月五日付の太政官牒(石清水文書)に、稲八間いなやづま庄の北限として下狛が記され、当地は稲八間に南接していた。また康元二年(一二五七)三月一三日付藤原宗綱田地売券(百巻本東大寺文書)によれば、この時藤原宗綱が売却した大和国平群へぐり郡の二段のうち一段を、下狛庄の住人沙弥慶阿が直米六石で買得、東大寺大仏殿に供田料として寄進している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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