下行枡(読み)げぎょうます

精選版 日本国語大辞典 「下行枡」の意味・読み・例文・類語

げぎょう‐ます ゲギャウ‥【下行枡】

〘名〙 中世下行の際に使用した枡。⇔納枡(おさめます)
※蓮成院記録‐天文二年(1533)一二月二五日「舛持来、八合舛也。沙汰人下行舛同舛也」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「下行枡」の意味・わかりやすい解説

下行枡
げぎょうます

主として中世において荘園(しょうえん)領主などが、相手方への領主米支払い、配分のために使用した枡。年貢米収納のための納枡(おさめます)に相対するもので、下用(げよう)枡ともいわれた。容量は納枡より少なく、納枡との差額を「交分(きょうぶん)」と称した。東寺(とうじ)の「下行枡」、醍醐(だいご)寺の「横斗(よこます)」、興福寺の「会所枡(えしょます)」などは有名である。なお、戦国期においては納枡や下行枡に対して、荘域を越えた地域単位の地域枡が多くみられ、加地子米(かじしまい)の計量などに使用された。

小島 晃]

『宝月圭吾著『日本史学研究叢書 中世量制史の研究』(1961・吉川弘文館)』

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