下行(読み)ゲギョウ

デジタル大辞泉 「下行」の意味・読み・例文・類語

げ‐ぎょう〔‐ギヤウ〕【下行】

米などを下賜すること。また、その物。
「人夫五六百人に兵粮を持たせて諸軍勢に―し」〈太平記・一七〉

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精選版 日本国語大辞典 「下行」の意味・読み・例文・類語

げ‐ぎょう‥ギャウ【下行】

  1. 〘 名詞 〙 上位者が下位者に米・銭などを下賜、支給すること。また、そのもの。くだされもの。
    1. [初出の実例]「凡賜賻物者。依官符先後次第下行之」(出典延喜式(927)四二)
    2. 「なじかはさらば不法の供米を下行せらるる」(出典:古今著聞集(1254)一六)

か‐こう‥カウ【下行】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 下へ行くこと。下り行くこと。
    1. [初出の実例]「霊台儀象志に、時の一秒下行一丈四尺四寸とす。〈略〉下行は即落線なり」(出典:暦象新書(1798‐1802)中)
  3. 文字書き方として上から下に書き綴って行く方法。たてがき。
  4. 音楽で、高い音から低い音に移行すること。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「下行」の解説

下行
げぎょう

中世,上位者が下位者に米・銭などを下し与えること,またいったん収納したものを必要に応じ配分し下し与えること。荘園領主百姓井料を下行する,寺社において仏事神事用途を下行する,などのように用いられた。

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