交分(読み)きょうぶん

世界大百科事典 第2版の解説

きょうぶん【交分】

中世,荘園において大小から生ずる差額米をいう。中世の荘園制社会においては,荘升(容積最大),領主升,下行(げぎよう)升(容積最小)の3種類の升が使用されており,升の計り換えのさいに増分・減分が出るのが常であった。すなわち,荘園から納升で納された年貢米などが,領主の手元にある升で計りなおされ,それが荘園領主下の各構成員に配分されるのが一般的慣習であったが,そのさい升の大小から計量上の増分・減分が生ずるのは必然であり,その差を交分と呼んだのである。

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精選版 日本国語大辞典の解説

きょう‐ぶん ケウ‥【交分】

〘名〙
① 中世、荘園で現地の徴収量と領主に納める時の分量の差をいう。預所、代官などの荘官の得分となることが多かった。
※紀伊続風土記附録一栗栖氏文書‐建久三年(1192)一二月日・紀実俊解案「依彼田畠荒野等之立毛雑穀交分、棄捨件畠之後、成荒野畢」

こう‐ぶん カウ‥【交分】

〘名〙 まじわり。交際。〔色葉字類抄(1177‐81)〕〔白居易‐与元微之書〕

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世界大百科事典内の交分の言及

【延】より

…例えば各地の荘園からの年貢米等をそれぞれ異なる量の荘枡で収納した領主は,これを消費にあてるためには,それらより小さな領主枡あるいは下行(げぎよう)枡で統一的に量り直さなければならなかった。このようにして生じた計量上の増加分を,一般に〈延〉,ときには〈交分(きようぶん)〉と称した。そしてこれらは,現地において計量に関与した荘官,代官等の給与にあてられた例もある。…

※「交分」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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