不食嫌(読み)くわずぎらい

精選版 日本国語大辞典 「不食嫌」の意味・読み・例文・類語

くわず‐ぎらいくはずぎらひ【不食嫌】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 食べたこともなく、味も知らないのに、その物を食べるのをきらうこと。また、その人。
    1. [初出の実例]「俗に食(クハ)ず嫌(キラ)ひといふ事あり。〈略〉味(あじはひ)如何を知らずて。之を無茶苦茶に嫌へる事ゆゑ」(出典:諷誡京わらんべ(1886)〈坪内逍遙〉一)
  3. 物事内容真価妙味などを十分理解しないで、わけもなくきらうこと。また、その人。
    1. [初出の実例]「君は不吃不好(クハズギラヒ)だから困る〈略〉何も内のお種を女房に持ってくれと言ふのぢゃなし」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)

たべず‐ぎらい‥ぎらひ【不食嫌】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ある食べ物を、食べもしないでいて、わけもなくきらうこと。また、その人。くわずぎらい。
    1. [初出の実例]「お柳さんは、昔かたぎだったから、シュークリームはバターのやうだから、気味がわるいといって、食べずぎらひであった」(出典:篠笛(1941)〈舟橋聖一〉)
  3. 転じて、実際に試さず、またよく知りもしないで、わけもなくきらうこと。くわずぎらい。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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