且つうは(読み)カツウハ

デジタル大辞泉 「且つうは」の意味・読み・例文・類語

かつう‐は【且つうは】

[副]《「かつは」の音変化》一方では。
「―弓矢きずにてもあるぞかし」〈保元・中〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「且つうは」の意味・読み・例文・類語

かつう‐は【且は】

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 副詞「かつは(且━)」の変化した語 ) 一方では。他面では。
    1. (イ) 「かつうは」が一方にだけ用いられる場合。
      1. [初出の実例]「にはかに太秦に詣でてんと思ひ立ぬるも、かつうはいとあやしく、仏の御心の中恥づかしけれど」(出典:うたたね(1240頃))
      2. 「御布施になりぬべき物のなきうへ、かつうは彼(かの)御菩提のためとて、泣く泣く取りいださせ給ひけり」(出典平家物語(13C前)灌頂)
    2. (ロ) 「かつうは」が両方に用いられる場合。
      1. [初出の実例]「不次に昇進且(カツウワ)己が曚愚を採り且(かつうハ)人の偏頗と謂ふ」(出典:和泉往来(平安末))
      2. 「かつうは妻子をもはぐくみ、かつうは又維盛が後生をもとぶらへかし」(出典:平家物語(13C前)一〇)
  2. [ 2 ] 〘 接続詞 〙かつ(且)[ 二 ]
    1. [初出の実例]「それは御気つまりにて、かつうは御なぐさみにならず」(出典:浮世草子・万の文反古(1696)五)

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