且は(読み)かつうは

精選版 日本国語大辞典の解説

かつう‐は【且は】

[1] 〘副〙 (副詞「かつは(且━)」の変化した語) 一方では。他面では。
(イ) 「かつうは」が一方にだけ用いられる場合。
※うたたね(1240頃)「にはかに太秦に詣でてんと思ひ立ぬるも、かつうはいとあやしく、仏の御心の中恥づかしけれど」
※平家(13C前)灌頂「御布施になりぬべき物のなきうへ、かつうは彼(かの)御菩提のためとて、泣く泣く取りいださせ給ひけり」
(ロ) 「かつうは」が両方に用いられる場合。
※和泉往来(平安末)「不次に昇進且(カツウワ)己が曚愚を採り且(かつうハ)人の偏頗と謂ふ」
※平家(13C前)一〇「かつうは妻子をもはぐくみ、かつうは又維盛が後生をもとぶらへかし」
[2] 〘接続〙 =かつ(且)(二)
※浮世草子・万の文反古(1696)五「それは御気つまりにて、かつうは御なぐさみにならず」

かつ‐は【且は】

[1] 〘副〙 (副詞「かつ」に助詞「は」の付いてできた語)
① 一方では。他面では。
(イ) 「…かつは…」の形で用いられる場合。
※万葉(8C後)四・五四三「草枕 旅を宜(よろ)しと 思ひつつ 君はあるらむと あそそには 且者(かつは)知れども しかすがに 黙然(もだ)もえあらねば」
※源氏(1001‐14頃)帚木「かかるにつけてこそ心もとまれと、かつは思しながら、めざましくつらければ」
(ロ) 「かつは…かつは…」の形で用いられる場合。
※古今(905‐914)仮名序「かつは人の耳に恐り、かつは歌の心に恥ぢ思へど」
② すでに。以前に。
※蜻蛉(974頃)中「絵にもかき、心ちのあまりにいひもいひて、あなゆゆしとかつは思ひしさまにひとつたがはずおぼゆれば」
[2] 〘接続〙 =かつ(且)(二)
※古今著聞集(1254)八「我生きたりとも、母を失ては何のいさみかあらん。かつは不孝の身なるべし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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