両天(読み)りょうてん

精選版 日本国語大辞典 「両天」の意味・読み・例文・類語

りょう‐てん リャウ‥【両天】

〘名〙
晴天雨天
随筆守貞漫稿(1837‐53)二七「江戸も男女とも晴雨不決の日携之て晴には日傘に用ひ雨にも用之暫時を凌ぐ故に両天の名あり」
歌舞伎・桜姫東文章(1817)五幕「桜姫鏡台の鏡に向ひ、両(リャウ)てんをさし髪を撫であげ、鬢のほつれを直す」
※歌舞伎・綴合於伝仮名書(高橋お伝)(1879)七幕「植物の間より、巡査のなり、両天(リャウテン)の棒をかい込み」
※歌舞伎・戻橋脊御摂(1813)五立「そこで往来の鳥を待つのは、ひるてんではなくて、盗人と野伏りの両天(リャウテン)だ」
⑥ (形動) 二つの物事の等しいこと。双方同様なこと。また、そのさま。
※三河物語(1626頃)一「此方彼方(ここかしこ)押領し給えば、早広忠と両天に成給ふ成」
※歌舞伎・初会浦島廓釣針(1874)「『さあさあ早く、お釣りなさい』『今度は両天(リャウテン)で釣ってやらう』」

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デジタル大辞泉 「両天」の意味・読み・例文・類語

りょう‐てん〔リヤウ‐〕【両天】

晴天と雨天。
晴雨兼用の傘。両天傘
両天秤りょうてんびん」の略。
かんざし両端ついの紋や花形などのあるもの。

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