朝日日本歴史人物事典 「中川紹益」の解説
中川紹益
生年:弘治3(1557)
桃山・江戸初期の鋳金工。「しょうえき」とも。名は与十郎。越後(新潟県)高田に生まれ,はじめ武具を作っていたが,天正年間(1573~92)京都に移り,同16年5月烏丸上立売御所八幡町に居を定めた。同年10月に北野大茶会が催されるに際し,千利休の需に応じて湯沸を制作した。これが後世のいわゆる利休薬鑵である。そののちは茶道具の金工品を専ら製造し,のち千家十職の一家に数えられるようになった。2代目以降は浄益と名を改め,現代の11代まで家業を継承している。
(原田一敏)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報