朝日日本歴史人物事典 「中村助五郎」の解説
中村助五郎(初代)
生年:正徳1(1711)
江戸中期の歌舞伎役者。俳名魚楽,屋号仙石屋。江戸の道外形の名人で,初代仙石彦助の子。享保10(1725)年から若衆形として活動がみられる。立役となった翌年の元文1(1736)年に2代目中村七三郎に入門して,中村助五郎を名乗った。敵役を得意とし,寛延2(1749)年に勤めた曾我狂言の股野五郎役で,河津三郎役の2代目大谷広次と相撲をとったのが一代の当たり役となった。以後このふたりは並び称され,のちに式亭三馬の『戯場粋言幕の外』では浅草寺の仁王にたとえられた。2代目助五郎は実子,その養子が3代目,昭和になってから4代目が出ている。<参考文献>『日本庶民文化史料集成』6巻
(池山晃)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報