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敵役 かたきやく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

敵役
かたきやく

歌舞伎役柄の一つ。悪人役の総称で,悪人方,悪方ともいう。実悪 (じつあく) は最高級の敵役で,立敵 (たてがたき) ともいい,師直,仁木,光秀,五右衛門などが知られる。公家悪 (くげあく) は多く青隈をとる公卿装束の悪人で,時平など。色悪 (いろあく) は美男の悪人,平敵 (ひらがたき) は端敵 (はがたき) ともいい,軽い憎まれ役,半道敵 (はんどうがたき) は敵役に道化を含ませた役柄。その他,世話狂言の悪番頭の手代敵,御家 (騒動) 物の伯父敵などと分化している。

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デジタル大辞泉の解説

かたき‐やく【敵役】

芝居で、悪人にふんする役。悪役。悪形(あくがた)。
人から憎まれる立場にある人。憎まれ役。「敵役に回る」

てき‐やく【敵役】

かたきやく」に同じ。

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百科事典マイペディアの解説

敵役【かたきやく】

演劇用語。歌舞伎で生まれた役柄の名称で,広く悪人の役をいう。立役(たちやく)に対する。古くは悪人役を専門とする俳優のことでもあった。実悪(じつあく)・公卿悪(くげあく)・色悪(いろあく)・端敵(はがたき)など多種。
→関連項目片岡仁左衛門中村歌右衛門中村雀右衛門松本幸四郎

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世界大百科事典 第2版の解説

かたきやく【敵役】

歌舞伎の役柄の一つで悪人の役。またそれを専門に演ずる俳優をいう。今日では演劇一般,映画でも使われ,〈悪役〉ともいう。元禄時代には敵役(てきやく),悪人方,悪方(いやがた)ともいっていたが,のちに〈かたきやく〉という呼び方におちついた。時代が下り役の種類が複雑化するにつれて,いろいろな名称が生まれた。そのおもなものをあげると,〈実悪(じつあく)〉また〈立敵(たてがたき)〉は悪人中の悪人の役で,顔は白塗り,燕手(えんで)という凄みのあるかつらを用い,堂々たる貫禄を見せるものが多い。

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大辞林 第三版の解説

かたきやく【敵役】

演劇で悪人を演ずる役。悪役。悪形あくがた。てきやく。
他人から憎まれることをあえて行う役目。憎まれ役。てきやく。 「 -を買って出る」

てきやく【敵役】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

敵役
かたきやく

歌舞伎(かぶき)の役柄の一つで、広く悪人の役をいう。善人の男の役を意味する立役(たちやく)に対するもの。演目や役の性質により、いろいろな種類と名称がある。たとえば『先代萩(せんだいはぎ)』の仁木(にっき)、『金閣寺(きんかくじ)』の大膳(だいぜん)など、謀反の元凶は最高級の敵役で、実悪(じつあく)(または立敵(たてがたき))とよばれる。同じく位の重い敵役で、『菅原(すがわら)』の時平(しへい)、『妹背山(いもせやま)』の入鹿(いるか)など、顔に藍隈(あいぐま)を施し、魔王のような力を発揮する役は、公卿(くぎょう)の悪人の意味で公家悪(くげあく)という。ほか『累(かさね)』の与右衛門(よえもん)や『四谷怪談』の伊右衛門のような美男の悪人を色悪(いろあく)、『忠臣蔵』の薬師寺(やくしじ)のように安手な敵役を平敵(ひらがたき)または端敵(はがたき)、同じく伴内(ばんない)のように道化の要素の濃い敵役を半道敵(はんどうがたき)とよび、平敵・半道敵のなかには、『先代萩』の大江鬼貫(おにつら)や『菅原』の土師兵衛(はじのひょうえ)などを伯父敵(おじがたき)、『妹背門松(いもせのかどまつ)』の善六や『法界坊』の長九郎などを手代敵(てだいがたき)(または番頭敵)というように、役の年齢、身分からきた呼称もある。なお敵役というのは、本来悪人を専門とする俳優のことでもあり、悪人方ともよばれた。また一般語にもなっているが、今日の演劇、映画、テレビなどでは「悪役(あくやく)」ということが多い。[松井俊諭]

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世界大百科事典内の敵役の言及

【敵役】より

…今日では演劇一般,映画でも使われ,〈悪役〉ともいう。元禄時代には敵役(てきやく),悪人方,悪方(いやがた)ともいっていたが,のちに〈かたきやく〉という呼び方におちついた。時代が下り役の種類が複雑化するにつれて,いろいろな名称が生まれた。…

※「敵役」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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