朝日日本歴史人物事典 「中村弥八」の解説
中村弥八(初代)
生年:元禄16(1703)
江戸中期の劇場振付師を兼ねた歌舞伎囃子の笛方で,日本舞踊中村流弥八・虎治派流祖。能楽笛方一噌流中村六郎右衛門の次男十助,のちに又八郎。尾張藩お抱えの能楽笛方平岩加兵衛の養子となるが,生来の遊び好きのため享保16(1731)年に出奔。その後歌舞伎の世界に入り,弥八と改名。初めは笛方となり,60歳ごろより振付も行うようになった。娘に初代中村虎治,その養子に2代目弥八がおり,男性は弥八,女性は虎治の名跡で家元を継承していく。なお,中村流が伝える「中村家系譜」と一噌流の「笛伝来中村家書留抜書」における十助に関する記述には多少の異同がある。<参考文献>松本亀松『中村弥八・中村虎治 中村流舞踊系話』
(丸茂祐佳)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報