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離縁 りえん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

離縁
りえん

通俗的には離婚を意味する言葉として用いられるが,現行の法律上は,養子縁組の解消をいう。離縁の法形式は,当事者間の協議により戸籍吏に対する届け出によって行う協議離縁 (民法 811,812) ,法定の事由がある場合に当事者の一方の申立てにより,裁判所の裁判,調停あるいは審判によって離縁が成立する裁判離縁,調停離縁,審判離縁がある。離縁が成立すると,当事者間の親子関係およびこれに伴う法定親族関係はすべて消滅し,養子は縁組前の氏に復し (816条) ,養子としての身分から生じていた養親との間の一切の法律効果が消滅する (729条) 。ただし,養子縁組によっていったん成立した婚姻障害は離縁によって解消しない (736条) 。また,養子が離縁前に養親の祭祀財産の所有権を承継しているときには,離縁の際に承継者を定めなければならない (817条) 。裁判離縁は,主として相手方が離縁に合意しないため協議離縁手続によることができない場合に行われる。裁判離縁についても,裁判離婚と同様に一定の原因を必要とする (814条) 。

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デジタル大辞泉の解説

り‐えん【離縁】

[名](スル)
夫婦や養親子の関係を絶つこと。「長年連れ添った妻を離縁する」
法律上、養子縁組を解消すること。

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百科事典マイペディアの解説

離縁【りえん】

一般には離婚を意味するが,法律上の用語としては養子縁組の解消をさす(民法811条以下)。当事者の協議で戸籍吏に対する届出によってする協議離縁,家庭裁判所の調停によってする調停離縁,法定の事由(悪意の遺棄,養子の生死が3年以上不明,その他縁組を継続し難い重大な事由)がある場合に当事者の一方から裁判所に訴えて判決によって行われる裁判離縁の各種がある。
→関連項目特別養子

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世界大百科事典 第2版の解説

りえん【離縁】

俗には婚姻の解消の意でも用いられるが,現行法上は養子縁組の解消をいう。民法は離縁を〈離婚〉とほぼ同じようにとらえている。そのため離縁の方式も,〈離婚〉と同じく,当事者の合意を届け出る〈協議離縁〉(民法811条),当事者の協議が不調のときは家庭裁判所の関与により成立する〈調停離縁〉および〈審判離縁〉(家事審判法に基づく),法定の事由(悪意の遺棄,養子の3年以上の生死不明,そのほか縁組を継続しがたい重大な事由)がある場合に当事者の一方が訴えて裁判所が離縁の判決をする〈裁判離縁〉(814条)の3種が認められている。

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大辞林 第三版の解説

りえん【離縁】

( 名 ) スル
夫婦または養親子の関係を断つこと。 「養子を-する」
〘法〙 養子縁組を解消すること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

離縁
りえん

一般に、夫婦別れのことを離縁というが、法律上は、縁組(養子縁組)によって発生したすべての親族関係を、将来に向かって消滅させることをいう。
 まず、縁組の当事者は協議により、離縁届を出すことによって、離縁することができる(協議離縁。民法811条1項)。養子が15歳未満のときは、代諾離縁協議者が代諾するが、だれがそれであるかについては、場合を分けて規定されている(同法811条2項以下)。夫婦である養親が未成年の養子と離縁する場合は、夫婦の一方が意思を表示することができないときを除いて、夫婦は共同して離縁しなければならない。夫婦の一方が意思を表示できないときは個別に離縁ができる。また未成年養子の場合を除いて、すべて個別離縁が許される。
 協議離縁ができないときは、調停の申立てをして、調停により離縁をしてもらうことができ(調停離縁。家事事件手続法244・257条)、調停も成立しないときは、場合により審判によって離縁してもらうことができる(審判離縁。同法277条)。それもできない場合、縁組の当事者の一方は、
(1)他の一方から悪意で遺棄されたとき
(2)他の一方の生死が3年以上不明なとき
(3)その他縁組を継続できないような重大な事由があるとき
などの場合に限り、地方裁判所へ訴えを起こし、その判決によって離縁することができる(判決離縁。民法814条)。
 離縁により、縁組によって生じたすべての効果は、将来に向かって消滅し、原則として、養子は縁組前の氏に復し、縁組前の戸籍に復籍し、養子が未成年のときは実親の親権が復活し、実親がないときは未成年後見が開始される。もっとも配偶者とともに養子縁組をした養親の一方のみと離縁した場合は、養子は復氏しない。また、離縁により復氏した養子は、縁組後7年経過していれば、離縁の日から3か月以内に「離縁の際に称していた氏を称する届」をすることによって、縁組中の氏を称することができる(縁氏続称。同法817条)。なお、縁組の当事者の一方が死亡したときは、他の一方は家庭裁判所の許可を得て、離縁届を出すことができる(死後離縁。同法811条6項)。
 特別養子については、離縁は原則として認めず、ただ、(1)養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があり、かつ(2)実父母が相当の監護をすることができる場合であって、しかも(3)養子の利益のためとくに必要があると認めた場合に限り、家庭裁判所は、養子、実父母、または検察官の請求により、縁組の当事者を離縁させることができる(同法817条の10)。離縁により、養子と実父母およびその血族との間には、特別養子縁組によって終了した親族関係と同一の親族関係が生ずる。そのほかは普通離縁の場合と同様である。以上、離縁に関する法律的準拠は、民法第2節第4款・第5款(811条~817条の11)による。[山本正憲・野澤正充]

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世界大百科事典内の離縁の言及

【離婚】より

…とすれば,ここには,一夫一婦制家族を原則的に守ろうとする幕府の期待がこめられていることがしられるであろう。もっとも,それでも,離婚するときには,夫が妻に去状(さりじよう)(離縁状)を与えることが必要だった。これがないと,その妻はあらたに改嫁=再婚することができないからである。…

※「離縁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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