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中欧イニシアチブ ちゅうおういにしあちぶ Central European Initiative

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知恵蔵2015の解説

中欧イニシアチブ

イタリア、オーストリアハンガリークロアチアスロベニアチェコスロバキアポーランドボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアウクライナモルドバベラルーシルーマニアブルガリアアルバニアセルビアモンテネグロの18カ国による地域協力。この地域協力は、1978年から国境を接するイタリア、オーストリア、旧ユーゴスラビア、ハンガリーの諸州が地方自治体レベルで実務協力を始めたアルプスアドリア協力に由来する。ハンガリーが体制転換を遂げた89年11月、西ドイツの東欧への影響力を懸念するイタリアの呼びかけで、この4カ国の外相が参集し、国家レベルの実務協力関係を進めた。90年5月にはチェコスロバキアが参加し、ペンタゴナーレ(5カ国協力)と呼ばれた。同年8月には、イタリアのベネチアで第1回首脳会議が開催された。さらに91年7月には、解体の道を歩み始めていた旧ユーゴドブロブニクで第2回首脳会議が開かれて、ポーランドの参加が承認された。これに伴い、呼称はヘクサゴナーレ(6カ国協力)となる。この時期から、ヘクサゴナーレは単なる実務協力から、政治問題も検討する全欧安保協力会議(CSCE)枠内の地域機構の色彩を強めた。92年7月には、ウィーンで第3回首脳会議が開催され、旧ユーゴから独立したスロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナの参加が認められた。呼称は中欧イニシアチブと変えられた。93年7月にはブダペストで第4回首脳会議が行われ、やはり旧ユーゴから独立したマケドニアの参加が承認された。このように、中欧イニシアチブは毎年1回の首脳会議、外相会議、各分野別の専門家会議を中心にして、ビシェグラード協力とは異なり、環境保護、交通・運輸、エネルギー少数民族問題などに力点を置いて協力を進めている。しかし旧ユーゴからの独立国が参加する中で、ユーゴ紛争をめぐり政治化せざるを得ない状況が一時、生まれた。ボスニア内戦の終結後、96年から、ウクライナ、モルドバ、ベラルーシに加えて、ルーマニア、ブルガリア、アルバニアのバルカン諸国も参加、2000年11月には、ユーゴスラビア連邦(現セルビア共和国とモンテネグロ共和国)の加盟が認められた。

(柴宜弘 東京大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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