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中欧イニシアチブ ちゅうおういにしあちぶCentral European Initiative

知恵蔵の解説

中欧イニシアチブ

イタリア、オーストリア、ハンガリー、クロアチア、スロベニア、チェコ、スロバキア、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナマケドニア、ウクライナ、モルドバ、ベラルーシ、ルーマニア、ブルガリア、アルバニア、セルビア、モンテネグロの18カ国による地域協力。この地域協力は、1978年から国境を接するイタリア、オーストリア、旧ユーゴスラビア、ハンガリーの諸州が地方自治体レベルで実務協力を始めたアルプス・アドリア協力に由来する。ハンガリーが体制転換を遂げた89年11月、西ドイツの東欧への影響力を懸念するイタリアの呼びかけで、この4カ国の外相が参集し、国家レベルの実務協力関係を進めた。90年5月にはチェコスロバキアが参加し、ペンタゴナーレ(5カ国協力)と呼ばれた。同年8月には、イタリアのベネチアで第1回首脳会議が開催された。さらに91年7月には、解体の道を歩み始めていた旧ユーゴのドブロブニクで第2回首脳会議が開かれて、ポーランドの参加が承認された。これに伴い、呼称はヘクサゴナーレ(6カ国協力)となる。この時期から、ヘクサゴナーレは単なる実務協力から、政治問題も検討する全欧安保協力会議(CSCE)枠内の地域機構の色彩を強めた。92年7月には、ウィーンで第3回首脳会議が開催され、旧ユーゴから独立したスロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナの参加が認められた。呼称は中欧イニシアチブと変えられた。93年7月にはブダペストで第4回首脳会議が行われ、やはり旧ユーゴから独立したマケドニアの参加が承認された。このように、中欧イニシアチブは毎年1回の首脳会議、外相会議、各分野別の専門家会議を中心にして、ビシェグラード協力とは異なり、環境保護、交通・運輸、エネルギー、少数民族問題などに力点を置いて協力を進めている。しかし旧ユーゴからの独立国が参加する中で、ユーゴ紛争をめぐり政治化せざるを得ない状況が一時、生まれた。ボスニア内戦の終結後、96年から、ウクライナ、モルドバ、ベラルーシに加えて、ルーマニア、ブルガリア、アルバニアのバルカン諸国も参加、2000年11月には、ユーゴスラビア連邦(現セルビア共和国とモンテネグロ共和国)の加盟が認められた。

(柴宜弘 東京大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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