日本大百科全書(ニッポニカ) 「中江俊夫」の意味・わかりやすい解説
中江俊夫
なかえとしお
(1933― )
詩人。福岡県久留米(くるめ)市生まれ。本名安田勤(つとむ)。関西大学国文科出身。『魚のなかの時間』(1952)で詩壇に登場。『荒地』『櫂(かい)』同人として活躍。詩的言語の自律性をめぐる方法的実験詩集『語彙(ごい)集』(1972)で高見順賞受賞。『梨のつぶての』(1995)で丸山薫賞受賞。形而上(けいじじょう)的叙情詩の旗手として、戦後の詩的地平を開拓した。J・ラフォルグ訳詩集『地球のすすり泣き』(1975)、詩論集『詩の肖像または私自身』(1980)、小説集『永遠電車』(1977)ほかがある。『広場の話』(1965)など、放送劇の仕事も注目されている。
[千葉宣一]
『『現代詩文庫39 中江俊夫詩集』(1971・思潮社)』▽『『詩集・語彙集』(1972・思潮社)』▽『『永遠電車』(1977・白川書院)』▽『『詩の肖像または私自身』(1980・書肆水夢社)』▽『『梨のつぶての』(1995・ミッドナイト・プレス、星雲社発売)』▽『『田舎詩篇』(1997・思潮社)』▽『ジュール・ラフォルグ著、中江俊夫訳『ジュール・ラフォルグ詩集 地球のすすり泣き』(1978・沖積舎)』▽『天沢退二郎ほか編『日本名詩集成』(1996・学燈社)』