丸柱村(読み)まるばしらむら

日本歴史地名大系 「丸柱村」の解説

丸柱村
まるばしらむら

[現在地名]阿山町丸柱

槙山まきやま村の南に位置し、西は近江国甲賀郡信楽しがらき(現滋賀県)さくら峠辺りより発する丸柱川は東流し、その流域に少しばかり耕地が開けるが、全村の大半が山地である。道路は伊賀上野より北進する道と、東隣の石川いしかわ村より西進する道とが当村で合して信楽に通ずる。三田みた郷五ヵ村の一村(三国地志)

保延五年(一一三九)以前にすでに東大寺領であったことは、同年三月二三日の美作守平忠盛下文案(東大寺文書)に現れる。久寿二年(一一五五)頃、信楽庄に取入れられ、東大寺との間に論争が行われた(保元三年四月「伊賀国在庁官人等解」百巻本東大寺文書)。国境論争は江戸時代にも行われ、この時は負公事に終わり(「永保記事略」元禄一三年三月三日条)、当村と北隣の槙山村との間は現在の国境線のように楔を入れられた形になった(→三郷山

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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