乃白郷(読み)のしらごう

日本歴史地名大系 「乃白郷」の解説

乃白郷
のしらごう

忌部いんべ川流域、現松江市乃白町地域に比定される国衙領。承久元年(一二一九)一一月一三日の関東下知状(千家家文書)によると、国造出雲孝綱は「乃白郷」などの地頭職鎌倉幕府から安堵されているが、同下知状は偽文書とされる。文永八年(一二七一)一一月日の杵築大社三月会相撲舞頭役結番帳の三番に「乃白郷十五丁四反半」とみえ、地頭は乃木太郎兵衛尉(景光)であった。太郎兵衛尉は当時の出雲国守護佐々木泰清と同族で、隣接する乃木のぎ保地頭乃木氏の一族であった(新修島根県史)。正安二年(一三〇〇)閏七月日の出雲国司庁宣案(千家家文書)によれば、出雲国惣社(現六所神社)造営が久しく滞っているので一昨年乃白郷を寄付したが、うまくいかないので三刀屋みとや(現三刀屋町)を替地として寄付した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android