久之浜村(読み)ひさのはまむら

日本歴史地名大系 「久之浜村」の解説

久之浜村
ひさのはまむら

[現在地名]いわき市久之浜町久之浜

太平洋に面し、南は田之網たのあみ村、北はかねさわ村。西の大久おおひさ村・小久こひさ村から大久川・小久川が東流し、河口近くで合流する。河口北側にある岬を殿上とのがみ崎といい、その北側に漁港があり、川の南側に浜街道の宿駅がある。中世比佐ひさ村のうちであった。文永六年(一二六九)一二月九日の八幡宮鳥居造立配分状(飯野八幡宮文書)に「枇貫木一枝 紙谷 比佐 末次 寄合可被取出」とみえ、飯野いいの八幡宮の鳥居造立に枇貫木一枝を共同で負担している。同一一年八月六日の八幡宮鳥居作料等配分状案(同文書)に「百文 比佐 加紙谷定」「一ケ日 比佐 紙谷」とみえ、共同で作料銭一〇〇文、番匠厨雑事一日を課せられている。貞和二年(一三四六)七月二二日の沙弥某・左衛門尉某連署奉書(同文書)によれば、「好島・白土・絹谷・大森・岩城田富・比佐・富田等村々地頭・預所中」が八幡宮放生会流鏑馬以下社役等を難渋している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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