久保宿町(読み)くぼじゆくまち

日本歴史地名大系 「久保宿町」の解説

久保宿町
くぼじゆくまち

[現在地名]岩槻市本町ほんちよう三―六丁目

窪宿とも記した。市宿いちじゆく町から東進する日光御成道両側に発達した町。市宿町境と東端渋江しぶえ町境に木戸がある。南側は武家地。町のほぼ中央から北へ延びる道があり、惣構の旦過たんが口に至る(大岡氏時代の岩槻城惣絵図)。この道沿いを旦過町、その東方の小路沿いを大工だいく町といい、いずれも当町に属した(風土記稿)

戦国時代頃の成立と推定される市場之祭文写(武州文書)に「武州崎西郡岩付くほ宿市祭」とみえ、「ふち宿」とともに市が立っていた。江戸時代日光御成道が整備されると、市宿町とともに岩槻宿の機能を分担、二万坪以上の地子免許地があったが、これは宿駅指定に伴うものではなく、その経緯について次のような伝えがある。岩槻城主高力清長の時代、年貢取立ての手代足軽と中間の二人が一軒一軒を回り未進分を差出すように催促して歩いたが、あるとき町民口論に及び、足軽・中間の二人はたたき伏せられ腰の差物まで折られるという事件が起きた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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