知恵蔵 「乙武洋匡」の解説
乙武洋匡
早稲田大学在学中の1998年に出版した『五体不満足』は、周囲に支えられて障害をあまり苦にせずに育ったという幼少期からの暮らしぶりや学生生活が描かれ、580万部のベストセラーになった。その後、ニュース番組のサブキャスターやスポーツ雑誌のライターなどを経験したが、少年による殺傷事件が相次いだことに心を痛め、自らの能力を生かした社会貢献をしようと教育活動に関わるようになった。2005年から新宿区教育委員会非常勤職員「子どもの生き方パートナー」を務め、07年には小学校教諭二種免許状を取得し、10年までの3年間、公立小学校に教員として勤務した。また、保育園の経営にも携わっている。このような様々な経験や取材を基に講演や執筆活動を精力的に行い、「みんな違っていい」ということなどを伝えようとしている。教員時代の経験を基に描いた自伝的小説『だいじょうぶ3組』(講談社)は映画化され、自身をモデルとする教員役を演じた。映画は、廣木隆一監督、国分太一主演で、13年3月に公開される。ほかに、『だから、僕は学校へ行く!』、『希望 僕が被災地で考えたこと』(いずれも講談社)などの著書がある。
(原田英美 ライター / 2013年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報